カティストゥータは固い20
2015年 08月 07日
パチン、パチン、パチンと紐を引き、おやすみの体勢を装いながら、カティストゥータは眼を残していた。
まだある。
夏の夜は予感だけ、ということは間々ある。でも今夜は予感すらなかった。すすきの野原に月だけポッカリないような、輪郭線の濃い不確かさの塊が、耳の奥でゴロゴロ鳴っていた。想像がまるで届かないもどかしさも、逆立ちした確信でしかなかった。
まだある。
やがて、ドアがキィと鳴る。
薄い夏掛けに光が乗ってゆく。
わかっていたから何でもなくて、カティストゥータはゆっくりと上体を起こした。
やってきたのは、タバコの自動販売機だった。
私、タバコは買わないから。
カティストゥータは激昂を枕の下に仕舞って寝た。
まだある。
夏の夜は予感だけ、ということは間々ある。でも今夜は予感すらなかった。すすきの野原に月だけポッカリないような、輪郭線の濃い不確かさの塊が、耳の奥でゴロゴロ鳴っていた。想像がまるで届かないもどかしさも、逆立ちした確信でしかなかった。
まだある。
やがて、ドアがキィと鳴る。
薄い夏掛けに光が乗ってゆく。
わかっていたから何でもなくて、カティストゥータはゆっくりと上体を起こした。
やってきたのは、タバコの自動販売機だった。
私、タバコは買わないから。
カティストゥータは激昂を枕の下に仕舞って寝た。
by sholitude
| 2015-08-07 08:25
| 日記